報酬改定と収益計画
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調剤薬局
MKマネジメント|認定経営革新等支援機関(ID:109627000610)
情報基準日:2026年9月29日
想定読者
本記事は、銀行・信用金庫・信用組合等の融資担当者、審査担当者、事業支援担当者、顧問税理士・会計事務所、M&A・再生支援関係者を主な想定読者としています。
これまで調剤薬局は、医療需要の継続性や公定価格を背景に、金融機関から比較的安定した事業として見られやすい業種でした。少なくとも、門前医療機関から一定の処方箋が継続し、必要な薬剤師を確保できている薬局では、将来の売上・キャッシュフローを比較的見通しやすい案件も多かったと考えられます。
しかし、その前提をそのまま置ける業界ではなくなりつつあります。帝国データバンクによると、2025年度の調剤薬局倒産は30件と2年連続で過去最多を更新し、2024年度の損益が判明した約120社でも、「減益」と「赤字」を合わせた企業が約6割を占めました。特に小規模薬局や門前型薬局では、近隣医療機関の閉院・患者減少、薬剤師確保難、ドラッグストアとの競争、薬価改定等の影響が表面化しています。帝国データバンク「調剤薬局の倒産動向(2025年度)」
2026年度診療報酬改定は、薬局経営を一方向に悪化させる改定ではありません。厚生労働省は、人件費・物件費高騰への対応として調剤ベースアップ評価料や調剤物価対応料を新設する一方、在宅・地域機能・対人業務など薬局の機能をより重視する方向で評価体系を見直しています。つまり今後は、「調剤薬局という業種だから安定」という見方よりも、その薬局がどの機能で収益を生み、人員を維持し、店舗別に利益を残し、借入返済後も現金を確保できるのかを見る必要性が高まります。厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」
本記事は、これまで大きな問題なく返済してきた調剤薬局について、収益悪化や返済条件変更の兆候が見え始めたときに、金融機関が何を確認すべきかを整理したものです。
- 1.金融機関は「業種の安定性」から「個社の持続性」へ見る軸を移す
- 2.最初に確認するのは「なぜ返済が難しくなったのか」
- 3.返済困難は5つのパターンに分けると読みやすい
- 4.調剤薬局のPLは「売上高」だけでは読みづらい
- 公的平均値は「審査基準」ではない
- 5.PL改善と資金繰り改善を混同しない
- 6.売上改善計画は「増加率」ではなく「増える理由」を見る
- 7.人件費は「削減率」ではなく人員計画との整合性で見る
- 8.店舗別採算・本部費・在庫を全社PLから切り出す
- 9.改善施策は「効果額」より成立条件を見る
- 10.「一時改善」と「正常収益力」を分ける
- 11.アクションプランは「誰が・いつ・何をするか」まで見る
- 12.Baseケースだけでなく、主要前提の下振れを見る
- 13.返済再開額はPLではなく、CFと必要現預金から考える
- 14.リスケ後は「計画値」より、差異の原因をモニタリングする
- 15.405事業は「計画を通す制度」ではなく、改善・金融支援を進める枠組み
- 16.金融機関から経営者へ確認したい10の質問
- 計画確認で揃えたい資料
- 17.MKマネジメントの支援範囲
- FAQ|調剤薬局の経営改善計画でよくある質問
- Q1.赤字の調剤薬局でもリスケを相談できますか。
- Q2.経営改善計画では人件費を下げる必要がありますか。
- Q3.人件費率は何%なら適正ですか。
- Q4.在宅業務を増やせば経営改善につながりますか。
- Q5.不採算店舗は閉鎖した方がよいですか。
- Q6.店舗別PLは必要ですか。
- Q7.PLが黒字になれば返済を元に戻せますか。
- Q8.405事業は調剤薬局でも利用できますか。
- Q9.405事業を利用すれば金融機関は計画に同意しますか。
- Q10.経営改善計画で最も重要な数字は何ですか。
- まとめ|経営改善計画は「数字を合わせる資料」ではない
- 関連コラム
- 主な参考資料
- 業界動向の補足資料
- 免責事項
1.金融機関は「業種の安定性」から「個社の持続性」へ見る軸を移す
調剤薬局の経営改善案件を読む際に重要なのは、「調剤薬局業界が良いか悪いか」を判断することではありません。同じ調剤薬局でも、門前依存度、店舗数、薬剤師採用力、在宅対応、借入負担、在庫、本部機能によって収益力・返済力は大きく異なります。
したがって金融機関は、過去の返済実績や業種イメージだけでなく、次のような問いへ軸足を移す必要があります。
主要店舗の処方箋は今後も維持できるか
赤字店舗が黒字店舗の利益を恒常的に消費していないか
必要な薬剤師を確保・定着できるか
派遣・紹介会社への依存が常態化していないか
在宅・面対応・加算等の成長施策を実行できる人員がいるか
M&A・新規出店後の借入返済が本業CFに対して重すぎないか
在庫・未収入金・設備更新を含めても現預金を維持できるか
金融機関向けの見方
「調剤薬局だから返せる」ではなく、「この薬局は、なぜ今後も返せるのか」を説明できる状態かを確認します。経営改善計画は、その説明をPLだけでなく、事業・人員・店舗・資金繰りまで含めて組み立てる資料です。
金融庁が2026年5月18日に公表し、同月25日から適用した「事業者と金融機関の信頼関係に基づく事業性融資に関する基本的な考え方」でも、事業の実態・将来性、将来キャッシュフローの見通しと不確実性、事業者との継続的なコミュニケーションを踏まえる考え方が示されています。
この記事の結論
調剤薬局の経営改善計画は、窮境原因 → 改善施策 → 実行可能性 → 正常収益力 → 下振れ耐性 → 返済力の順で確認します。ゴールは「黒字化」ではなく、返済後も必要な現預金を維持しながら無理なく返済を続けられる経営への回復です。

2.最初に確認するのは「なぜ返済が難しくなったのか」
経営改善計画の数字を見る前に、返済困難となった原因を整理します。原因と改善策がつながっていなければ、5年分のPLが精緻に作られていても、改善の再現性は高まりません。
調剤薬局で見られる窮境原因には、処方箋枚数の減少、薬剤師不足による派遣・残業・採用費の増加、不採算店舗の継続、在庫・運転資金の増加、新規出店・M&A後の借入負担、本部固定費の先行等があります。
特に、一時要因と構造要因を分けることが重要です。突発退職に伴う数か月の派遣費や単年度の修繕費と、数年続く処方箋減少や恒常的な採用難では、必要な改善策も金融支援も異なります。
3.返済困難は5つのパターンに分けると読みやすい

パターン | 主な状態 | 確認の中心 |
|---|---|---|
本業黒字・借入負担型 | 事業利益はあるが、M&A・出店等の借入返済が重い | 正常CF、追加投資、返済条件 |
不採算店舗型 | 一部店舗が全社利益・CFを圧迫 | 店舗別採算、改善余地、撤退費用 |
人員高コスト型 | 欠員・派遣・紹介料・残業が常態化 | 採用・定着・配置の改善可能性 |
投資立上がり遅延型 | 在宅・新店・M&A等の先行投資に対し売上立上がりが遅い | 進捗、追加資金、投資継続可否 |
本業構造悪化型 | 複数店舗で処方箋減・赤字が継続 | 店舗再編・事業ポートフォリオ |
4.調剤薬局のPLは「売上高」だけでは読みづらい
調剤薬局では、売上の中に技術料と薬剤料が含まれます。2026年8月に公表された令和7年度「調剤医療費(電算処理分)の動向」では、処方箋1枚当たり調剤医療費は9,839円で、技術料2,676円、薬剤料7,144円、特定保険医療材料料19円でした。
薬剤料は売上金額の大きな部分を占めますが、医薬品仕入と対応します。そのため、高額薬の増加で売上高が増えても、薬局の付加価値や返済力が同じ割合で改善するとは限りません。
公的平均値は「審査基準」ではない
第25回医療経済実態調査では、令和6年度の法人保険薬局の平均損益率は4.9%でした。店舗数別では、1店舗5.2%、2~5店舗3.2%、6~19店舗7.6%、20~299店舗7.2%、300店舗以上4.1%と差があります。
したがって、「利益率5%未満なら問題」「人件費率が何%なら安全」といった一律の審査基準にはしません。地域、処方内容、在宅、店舗形態、本部機能、賃料、採用環境等によって構造が異なるためです。
比率は「判定」ではなく「質問」を作るために使う
前年差・店舗間差・同規模平均との差から違和感を見つけ、その背景が処方構成、人員、派遣、賃料、在庫等のどこにあるかを確認します。
5.PL改善と資金繰り改善を混同しない
経営改善計画では、営業利益が改善していても現預金が増えないことがあります。調剤薬局では、医薬品在庫、調剤報酬の未収入金、医薬品仕入の支払、設備更新、採用費等が資金繰りへ影響します。
例えば高額薬の取扱いが増えれば、売上と同時に在庫・未収入金が増える場合があります。また、短期的に設備投資をゼロへ近づければCFは改善して見えますが、分包機、電子薬歴、PC、車両等の更新を長期間止めることはできません。
したがって、経営改善ではPLの黒字化 → BS上の資金需要 → CF → 返済後現預金までつなげて確認します。
6.売上改善計画は「増加率」ではなく「増える理由」を見る
「翌年度から売上2%増」と置くだけでは計画の確度は分かりません。調剤薬局では、売上増加の根拠を具体的に分けます。
門前医療機関等の処方箋枚数の回復
面対応の拡大
在宅業務の拡大
調剤報酬上の加算・評価の取得
新規出店・M&A
在宅であれば患者受入れ経路、人員、訪問効率、追加コストを確認します。加算であれば取得・維持要件と追加費用を確認します。新規出店・M&Aであれば売上だけでなく、借入、初期投資、採用、PMI、追加運転資金を別に見ます。
重要なのは、「売上が増える」という結果と、それを生む行動がつながっているかです。
7.人件費は「削減率」ではなく人員計画との整合性で見る
調剤薬局では人件費削減が改善策として置かれやすい一方、必要な人員まで削れば外来、在宅、営業時間、加算、休暇取得等に影響する可能性があります。
特に派遣薬剤師の削減計画では、「常勤採用できれば○百万円改善」という効果額だけでなく、採用開始時期、地域の採用難度、紹介費、採用成立までの派遣継続、早期離職時の対応を確認します。
人件費改善とは、単に人を減らすことではありません。必要な人員で安定して事業を運営できる状態をつくることまで含めて考えます。
8.店舗別採算・本部費・在庫を全社PLから切り出す
複数店舗を運営する薬局では、全社PLが黒字でも一部店舗が継続的にキャッシュを消費している場合があります。店舗別に、売上、人員、賃料、門前医療機関、在宅、改善余地を確認します。
ただし、赤字店舗を直ちに閉鎖すればよいとは限りません。患者・医療機関との関係、他店舗への送客、採用拠点等の戦略的役割や、原状回復、解約違約金、リース、従業員配置等の撤退費用も確認します。
本部費も同様です。経営管理、人事、採用、教育、システム等は必要な機能ですが、将来20店舗を想定した本部体制を現在5店舗で負担しているようなケースでは、固定費が先行している可能性があります。
在庫については、一度だけの資金回収と、廃棄・滞留の恒常削減による継続的な損益改善を分けます。
9.改善施策は「効果額」より成立条件を見る

経営改善計画に「派遣削減500万円」「在宅増収1,000万円」「在庫削減500万円」と書かれていても、数字そのものでは改善の確度を判断できません。
金融機関が確認したいのは、その改善額が成立する条件は何かです。原因、施策、数値効果、キャッシュフローが一つの因果関係として説明できる計画ほど、モニタリングもしやすくなります。
10.「一時改善」と「正常収益力」を分ける

在庫処分による資金回収、資産売却、単発補助金、一時的な役員報酬減額等は、資金繰り改善には意味があります。しかし、毎年同じ金額を返済原資として使えるわけではありません。
一方、派遣依存の恒常的縮小、採用・定着改善、赤字店舗改善、適正人員配置、継続的な在宅収益、不動在庫・廃棄の継続削減、本部固定費の適正化等は、実行できれば正常収益力を改善する可能性があります。
返済再開額を考える際には、一時的な資金確保を除いた後に本業から継続的にどれだけキャッシュを生み出せるかを確認します。
11.アクションプランは「誰が・いつ・何をするか」まで見る
改善計画の数字は、行動と結び付いて初めて実行可能性を持ちます。例えば「派遣費を年間600万円削減する」のであれば、常勤薬剤師を何人、いつ、どの店舗へ採用するのか、採用できなかった場合はどうするのかを確認します。
在宅売上を増やすのであれば、誰が連携先を開拓し、どの店舗で、誰が訪問し、いつから患者数が増えるのかを確認します。
金融機関が日々の業務を管理する必要はありません。しかし、責任者、期限、主要KPI、未達時の代替策があるかは、計画の信頼性を見る材料になります。
12.Baseケースだけでなく、主要前提の下振れを見る
調剤薬局の改善計画で想定したい下振れには、次があります。
処方箋枚数が計画を下回る
常勤採用が半年遅れる
管理薬剤師・主要人員の離職が発生する
在宅の立上がりが遅れる
加算の取得・維持が計画どおり進まない
医薬品在庫・運転資金が増える
赤字店舗の改善が遅れる
一律に「売上10%減」と置くのではなく、その企業の返済計画にとって最も重要な前提が何かを特定し、そこが崩れた場合のCFを確認します。
Baseケースでようやく予定返済額を払える計画は、少しの未達で再度資金不足になる可能性があります。返済再開では「最大限払える額」ではなく、事業を続けながら無理なく払える額を考えます。
13.返済再開額はPLではなく、CFと必要現預金から考える

概念的には次の順番で確認します。
一時要因を除いた改善後の継続利益
↓
在庫・未収入金・買掛金等の運転資金変動
↓
必要な設備投資・更新、税金、その他資金支出
↓
借入返済前キャッシュフロー
↓
無理のない返済再開額
↓
返済後も給与・仕入・修繕等に備える現預金を維持できるか
経営改善計画の目的は、可能な限り多く返済することではありません。返済のために採用、設備更新、必要在庫を止め、事業継続力を損なえば、長期的な返済力も弱くなります。
14.リスケ後は「計画値」より、差異の原因をモニタリングする
経営改善計画は提出して終わりではありません。計画開始後は、売上、営業利益、現預金だけでなく、計画の主要前提となる事業KPIを絞って確認します。
改善施策 | 財務結果 | 先行して確認するKPI例 |
|---|---|---|
処方箋回復 | 売上・粗利益 | 月間処方箋枚数 |
派遣削減 | 人件費 | 常勤採用の応募・面接・入社進捗 |
在宅拡大 | 売上・利益 | 患者受入れ、訪問件数、連携先 |
在庫改善 | 現預金 | 在庫金額、滞留状況 |
赤字店舗改善 | 店舗利益 | 処方箋、人員、賃料等の主要要因 |
計画未達=計画失敗ではありません。重要なのは、なぜ差異が出たか、今後のCFへどう影響するか、次に何を変えるかを説明できることです。
反対に計画値を達成していても、必要な採用・設備更新・支払を先送りした結果なら、持続可能な達成とは言えません。
15.405事業は「計画を通す制度」ではなく、改善・金融支援を進める枠組み
金融支援を伴う本格的な経営改善が必要な中小企業等には、認定経営革新等支援機関による経営改善計画策定支援(405事業)があります。現在の通常枠では、DD・計画策定支援費用の3分の2(上限200万円)、伴走支援費用の3分の2(上限100万円)等が支援対象です。
2026年には手引き・FAQ等が改定され、通常枠は5月1日から新しい取扱いが適用されています。計画への数値基準導入、対象金融支援の見直し等が行われました。
ただし、405事業を使えば金融支援が自動的に決まるわけではありません。窮境原因、改善施策、アクションプラン、下振れ、資金繰り、金融支援後の返済力が整合していることが必要です。
16.金融機関から経営者へ確認したい10の質問
今回、返済条件の変更が必要になった最大の原因は何ですか。
その原因は現在も続いていますか。
改善後の利益は、どの施策によって生まれますか。
売上が増える具体的な根拠は何ですか。
その改善策を現在・計画後の人員で実行できますか。
改善効果のうち、一時的なものは何ですか。
赤字店舗・過大な本部費・滞留在庫はありますか。
採用や在宅等が半年遅れた場合、CFはどうなりますか。
返済再開後も採用・設備更新・必要在庫を維持できますか。
返済後にどの程度の現預金を維持する計画ですか。
計画確認で揃えたい資料
決算書、月次試算表、資金繰り表、借入金一覧
店舗別売上・採算、処方箋枚数推移
店舗別人員、派遣利用、採用・離職状況
在宅・主要施策の実績
医薬品在庫、未収入金、買掛金、支払条件
主要設備・リース・更新予定
17.MKマネジメントの支援範囲
MKマネジメントでは、金融機関・税理士等からご相談いただいた調剤薬局案件について、経営改善計画が返済力の回復につながる内容になっているかを整理します。
返済困難となった窮境原因の整理
調剤薬局の収益構造を踏まえた改善施策の検証
店舗別・全社の採算状況
人員体制、採用、派遣・紹介費等の人的資本論点
在宅・加算等を含む増収計画の前提
在庫・運転資金・設備更新の確認
一時改善と正常収益力の切り分け
下振れシナリオと返済前CFの確認
返済再開額と返済後現預金の整合
405事業による計画策定・伴走支援
税務・法務・労務・許認可等の専門判断が必要な場合は、顧問税理士、弁護士、社会保険労務士その他の関係専門家と役割分担して確認します。
金融機関・専門家の皆様へ
調剤薬局の経営改善計画について、改善後PLの前提、人員・店舗・在庫、下振れ、返済再開額、405事業の活用等を横断して確認したい案件は、MKマネジメントへご相談ください。
FAQ|調剤薬局の経営改善計画でよくある質問
Q1.赤字の調剤薬局でもリスケを相談できますか。
赤字であることだけで決まるものではありません。窮境原因、事業継続可能性、改善余地、将来CF等を確認します。
Q2.経営改善計画では人件費を下げる必要がありますか。
必ずしも必要ではありません。人員不足が派遣・残業・採用費を増やしている場合は、安定した常勤配置の方が改善につながることもあります。
Q3.人件費率は何%なら適正ですか。
一律の適正値では判断しません。処方箋、営業時間、在宅、店舗規模、本部機能、採用環境等から必要人員を確認します。
Q4.在宅業務を増やせば経営改善につながりますか。
増収機会にはなりますが、追加人員、移動、ICT、時間外対応、運転資金等を含めたCFで判断します。詳しくは「調剤薬局は在宅業務を拡大すべきか」をご覧ください。
Q5.不採算店舗は閉鎖した方がよいですか。
赤字だけでは判断できません。改善余地、戦略的役割、閉鎖費用、患者・従業員への影響を確認します。
Q6.店舗別PLは必要ですか。
複数店舗で収益性が異なる場合は有用です。ただし共通費配賦の精度に過度にこだわるより、どの店舗がCFを生み、どこが消費しているかを把握することを優先します。
Q7.PLが黒字になれば返済を元に戻せますか。
PL黒字だけでは判断できません。運転資金、税金、設備更新等を反映した返済前CFと、返済後現預金を確認します。
Q8.405事業は調剤薬局でも利用できますか。
調剤薬局限定の制度ではなく、要件を満たす中小企業等が検討できます。適用可否と支援枠は最新手引きで個別確認します。
Q9.405事業を利用すれば金融機関は計画に同意しますか。
制度利用だけで金融支援が保証されるものではありません。各金融機関が計画内容、事業実態、返済可能性等を踏まえて判断します。
Q10.経営改善計画で最も重要な数字は何ですか。
一つではありません。正常収益、運転資金、設備投資、返済前CF、返済後現預金を一連で確認することが重要です。
まとめ|経営改善計画は「数字を合わせる資料」ではない
調剤薬局の経営改善計画で確認したいのは、次の一連のつながりです。
なぜ返済が難しくなったのか
↓
原因に合った改善策か
↓
人員・店舗・資金面から実行できるか
↓
一時改善を除いて正常収益力が回復するか
↓
主要前提が下振れしても資金繰りを維持できるか
↓
返済再開後も必要現預金を確保し、返済を続けられるか
調剤薬局では、処方箋、調剤報酬、人員、在庫、在宅、店舗別採算が相互に影響します。人件費率や仕入率といった一つの指標ではなく、改善施策の実行可能性と最終的なキャッシュ創出力を見ることが重要です。
関連コラム
主な参考資料
業界動向の補足資料
免責事項
本記事は、2026年9月29日時点で公表されている資料に基づく一般的な情報提供を目的としています。個別企業の融資可否、金融支援条件、経営改善計画の成立可能性を確定するものではありません。
実際の判断では、対象企業の決算書、試算表、店舗別損益、資金繰り、借入返済予定、人員体制、在庫、制度上の届出等に基づく個別検証が必要です。
執筆者:MKマネジメント代表 小坂 真義(中小企業診断士・薬剤師)